大阪高等裁判所 昭和55年(行コ)1号 判決 1980年7月18日
控訴人(原告) 中島忠見
被控訴人(被告) 大阪法務局長 大阪法務局泉出張所登記官 大阪法務局吹田出張所登記官
主文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
第一当事者の求める裁判
一 控訴人
「一、原判決を取消す。二、控訴人に対し、(一)被控訴人大阪法務局泉出張所登記官は、昭和四九年三月一四日受付第六〇三五号、第六〇三九号に基づく更正登記を取消し、和泉市緑ケ丘第23号の4なしい6、15ないし18、第49号の3ないし7、第47号の8ないし12、第48号の3ないし12につき不動産登記法一五四条、一五六条による登記をせよ。(二)被控訴人大阪法務局吹田出張所登記官は、中原建設株式会社申請による昭和四五年九月二四日受付第一八三四五号により、吹田市大字小路一一四七―一、雑種地九一七平方メートルを八五二一平方メートルに増歩した更正登記を取消し、右土地(その後の分筆を含む)及び吹田市大字小路一一四八ないし一一五二、一一六一、一一六六ないし一一六八、同市大字佐井寺三六四九につき、不動産登記法一五四条、一五六条による登記をせよ。(三)被控訴人大阪法務局長が控訴人に対し昭和四五年五月二九日付をもつてした裁決を取消す。」との判決。
二 被控訴人ら
主文同旨の判決
第二当事者の主張
一 原判決の引用
当事者の主張、証拠関係は以下のとおり訂正、附加するほか原判決事実摘示のとおりであるから、これをここに引用する。原判決二枚目裏九行目の「悪用してなされ、」を「悪用してなされたもので、」と、同一〇行目の「表示がなく」を「表示がないうえ」と、同三枚目表一一行目の「申請により」を「申請に基づく」と、同四枚目裏七行目の「決した」を「決めた」と、同八行目の「増減をもたらす」を「増減したりする」と、同七枚目表一一行目の「違法であるから、」を「違法をいうものであるから、」と各訂正する。
二 被控訴人
控訴人が被控訴人大阪法務局長に対してなした審査請求の経過は次のとおりである。
(一)大阪法務局泉出張所昭和四九年三月一四日受付第六〇三五号、第六〇三九号地積更正登記について
1審査請求日 昭和五〇年八月一日
2裁決日 昭和五二年三月二六日
3裁決主文 棄却ないし却下
(二)大阪法務局吹田出張所昭和四五年九月二四日付第一八三四五号地積更正登記について
1審査請求日 昭和五一年七月一五日
2裁決 未了。
(三)大阪法務局長の昭和四五年五月二九日付裁決について
1審査請求日 昭和四五年一月一六日
2審査請求の内容 原判決添付別紙目録(三)記載の土地につき
控訴人及び中西日よ志がした大阪法務局吹田出張所昭和四五年一月一二日受付第四三四号、第四三五号所有権移転登記申請に対する吹田出張所登記官の却下処分の不当をいうもの。
3裁決日 昭和四五年五月二九日
4裁決主文 棄却
5裁決書送達日 同年五月末日までに控訴人に到達した。
三 控訴人
被控訴人らの前示二の主張を認める。
第三証拠<省略>
理由
一 当裁判所も原判決と同様本件訴をいずれも却下すべきものであると判断する。その理由は以下のとおり訂正、附加、削除するほか原判決理由説示のとおりであるからこれをここに引用する。
原判決七枚目裏四行目の「客観的に」を「すでに」と、同五行目の「当該土地の地積」を「客観的な当該土地の地積」と各訂正する。
同八枚目表一一行目から同裏一行目までを全部削除する。
二 大阪法務局長が昭和四五年五月二九日付をもつて控訴人に対してした裁決に関する審査請求、裁決、裁決書送達の経緯については前示第二の二(三)のとおりであることは当事者間に争いがない。そうすると、おそくとも右裁決書が送達された同年五月末日に控訴人は右裁決があつたことを知つたものというべきであるから、その取消を求める訴訟は行政事件訴訟法一四条一項に基づき同日から三箇月以内に提起しなければならないところ、右裁決に対する本訴取消訴訟は昭和五一年五月一七日に提起されたものであることが記録上明らかであるから、本訴は出訴期間を徒過したものであつて不適法である。
三 よつて、その余の点について判断をするまでもなく本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 下出義明 村上博巳 吉川義春)